こんにちは、KSPオンライン診療通信です。
突然ですが、毎年5月17日の「世界高血圧デー」をご存じでしょうか?これは、高血圧の予防や管理についての意識を世界中で高めるために制定された記念日です。
春は日中と朝晩の寒暖差や気圧の変動が大きく、また新生活のストレスなどで自律神経が乱れやすくなるため、血圧のコントロールが不安定になりやすい季節でもあります。
そこで今回は、昨年改訂された最新の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」のポイントをお伝えしていきます。
高血圧とは、心臓から送り出される血液が血管を押す力(血圧)が、慢性的に高く維持されている状態です。
恐ろしいのは、自覚症状がほとんどないまま血管や臓器を傷つけ、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気を引き起こす点です。
そのため、高血圧は「サイレントキラー(静かなる殺人者)」と呼ばれています。
最新の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、血圧の基準と管理方法がより明確に、そして厳格に一元化されました。
また、「薬だけで血圧を下げる」のではなく、「生活の中で血圧をコントロールしていく」ことが重視されています。
これまでは、「高齢者だから少し高めでも良い」とされることもありましたが、最新のガイドラインでは、年齢を問わず下記の数値を基本目標とすることが強調されています(※合併症や体の状態に合わせて医師が個別判断します)。
* 診察室血圧: 130 / 80 mmHg 未満
* 家庭血圧 : 125 / 75 mmHg 未満
病院の診察室よりも、自宅でリラックスして測る「家庭血圧」の数値が、脳心血管病のリスク予測においてより重要視されるようになりました。
「まだ薬を飲むほどではない」という段階からの、食事・運動による介入が強く推奨されるようになりました。
ガイドラインで推奨されている、具体的かつ実践的な生活習慣改善をご紹介します。
減塩(1日6g未満)はもちろん大切ですが、最近のトレンドは「ナトカリ比(ナトリウムとカリウムの比率)」の改善です。塩分(ナトリウム)を控えつつ、野菜や果物、豆類に含まれる「カリウム」を積極的に摂ることで、体に溜まった余分な塩分の排出を促します(※腎機能に問題がない場合)。
カゴメが「ナトカリ比」を下げる食事方法のヒントをまとめた「ナトカリマップ」を提供しているので、参考にしてみてください。
※参考:KAGOME「ナトカリ比とは?」
※参考:KAGOME「ナトカリマップ」
筋肉量の増加によって基礎代謝が上がり、インスリンの働きが改善されることで、血管が広がりやすくなります。有酸素運動と筋トレを組み合わせることで、単独で行うよりも優れた降圧(血圧を下げる)効果が期待できます。
1日30分以上の有酸素運動(ウォーキングなど)に加え、週2~3回のスクワットなどの筋トレを組み合わせることが推奨されています。
ただし、筋トレを行う場合には1つ気を付けることがあります。筋トレ系は力むことによる一時的な血圧上昇に注意が必要です。心配な場合は、医師や保健師など専門家にご相談ください。
朝(起床後1時間以内、排尿後、朝食・服薬前)と、晩(就寝前)の1日2回、椅子に座って1~2分安静にしてから測りましょう。数値はすべて記録し、医師と共有することが治療の質を高めます。
「食事をどう変えればいいか分からない」「運動が続かない」という方もご安心ください。「KSPオンライン診療」と連携した「KSPオンライン相談」では、保健師による「健康相談」を無料で実施しています。
あなたのライフスタイル(外食の頻度や日々の活動量)を丁寧にお伺いし、無理なく続けられる食事の提案や運動メニューのアドバイスを行います。「一人で頑張る」のではなく、プロのサポートを賢く頼ってみませんか?
高血圧治療は継続が重要です。しかし、毎月の定期通院は忙しい方にとって負担が高く、通院できなくなって治療をやめてしまう方も一定数いらっしゃいます。
そこで当院が提案しているのが、対面診療とオンライン診療の併用(ハイブリッド)です。
* 対面診療の役割(数ヶ月に一度): 血液検査、心電図、合併症の有無などをクリニックで詳しくチェック。
* オンライン診療の役割(毎月の定期受診): 血圧が安定している時期は、スマホ1つで10分程度のビデオ通話診察。お薬はお近くの薬局や配送で受け取ることができます。
医師と相談しながら、 対面診療とオンライン診療を組み合わせて、治療継続の負担を減らしていきましょう。
高血圧治療の歴史は意外と短く、血圧を正確に計測できるようになったのは約100年前、降圧薬治療の歴史は約50年です。治療薬が生まれる前の中世ヨーロッパなどでは、蛭(ひる)を体に吸いつけて血を抜く「瀉血(しゃけつ)」という治療が真面目に行われていたという話もあるそうです。
現在は、お薬や生活習慣改善など、エビデンス(科学的根拠)に基づいた治療が日々進化しています。ぜひ最新のガイドラインを参考に、現代の便利な医療ツールを賢く使いながら、無理なく健康を維持していきましょう。
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