こんにちは、KSPオンライン診療通信です。
突然ですが、「高血圧の治療」と聞いて、何を思い浮かべますか?
血圧を測る。
病院に通う。
そして、薬を飲む。
このようなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
もちろん、薬は高血圧の大切な治療方法のひとつです。
でも、実はもうひとつ、少し意外な治療方法があります。
スマートフォンの「アプリ」を使って、高血圧の治療をサポートする方法です。
「アプリで治療って、どういうこと?」
そう思われる方も多いかもしれません。
今回ご紹介するのは、健康管理のための一般的なアプリではありません。
医師が処方して使用する、高血圧治療補助アプリです。
しかも、医師の診察・判断のもと、保険診療で利用することができます。
高血圧の治療で大切なのは、薬を飲んで血圧を下げることだけではありません。
食事や運動、体重、飲酒など、毎日の生活習慣を見直すことも大切です。
たとえば、
「塩分を少し控えてみる」
「今より少し歩く時間を増やす」
「体重を適正な範囲に近づける」
「毎日の血圧を測ってみる」
こうした日々の取り組みも、高血圧の治療につながります。
ところが、生活習慣を変えるというのは、言うほど簡単ではありません。
「食事に気をつけたほうがいい」
「運動したほうがいい」
「血圧を測ったほうがいい」
頭ではわかっていても、毎日の生活の中で続けるのは難しいものです。
「わかっているけれど、なかなかできない」
高血圧の治療では、ここが大きなポイントになります。
高血圧治療補助アプリ「CureApp HT」は、毎日の生活習慣を見直し、改善していくことをサポートするためのアプリです。
アプリを使って、血圧を記録したり、高血圧について学んだり、自分の生活を振り返ったりします。
毎日の血圧を測り、アプリに記録します。
動画などのコンテンツを見ながら、高血圧や生活習慣について学びます。
食事や運動など、自分の生活について記録します。
自分の生活を振り返りながら、行動目標を立て、実践していきます。
このように、毎日の生活の中で、
知る → 気づく → 行動する → 振り返る
ということを繰り返していきます。
スマートフォンを使いますが、やっていることは意外とシンプルです。
「自分の生活を見つめ直して、少しずつ変えていく」
その過程をアプリがサポートしてくれます。
「CureApp HT」は、医師が処方して使用する医療機器で、臨床試験を経て薬事承認された高血圧治療補助アプリです。
また、2025年8月に日本高血圧学会から発行された「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、高血圧治療における治療支援のひとつとして、高血圧治療補助アプリについても掲載されています。
ここは大切なところです。
高血圧のアプリ治療は、「薬を飲まなくてもよくなる治療」ではありません。
高血圧の状態によっては、薬による治療が必要になることもあります。
一方で、高血圧の治療では生活習慣を改善することも重要です。
そのため、アプリを使って生活習慣の改善に取り組みながら、必要に応じて薬による治療を組み合わせることがあります。
薬を使うかどうか、また薬の量を変更できるかどうかは、血圧の状態やこれまでの治療経過などを確認したうえで、医師が判断します。
つまり、
「薬か、アプリか」ではありません。
その人の状態に合わせて、必要な治療を組み合わせていく。
その中のひとつが、アプリを使った治療です。
高血圧には、治療のためにできることがいろいろあります。
食事を見直すこと。
運動すること。
体重を適正に保つこと。
血圧を測ること。
必要な場合には薬を使うこと。
何をすればいいのかは、ある程度わかっている。
それでも難しいのが、
それを毎日の生活の中で実際に行動に移すこと。
そして、
続けること。
ではないでしょうか。
「健康のために運動しよう」
「食事に気をつけよう」
と思っても、仕事が忙しかったり、家族との生活があったりすると、いつの間にか元に戻ってしまう。
だからこそ、治療では「何をするか」だけでなく、「どう続けていくか」も大切です。
高血圧治療補助アプリ「CureApp HT」は、その部分をサポートするための方法のひとつです。
高血圧治療補助アプリは、誰でも自由にダウンロードして使うものではありません。
医師の診察を受け、適応を確認したうえで使用する、医師が処方するアプリです。
また、アプリを使った高血圧治療に対応している医療機関は限られています。
当院では、CureApp HTを用いた高血圧の治療に対応しています。
「血圧が高いと言われたけれど、何から始めればいいかわからない」
「生活習慣を見直したいけれど、一人ではなかなか続かない」
「薬だけではなく、毎日の生活から血圧を見直してみたい」
そんな方は、一度ご相談ください。
アプリ治療が適しているかどうかも、現在の血圧やこれまでの治療経過などを確認したうえで、医師がご案内します。
高血圧の治療には、いろいろな方法があります。
大切なのは、その中から自分に合った方法を見つけ、無理なく続けていくこと。
「高血圧だから薬を飲む」。
それだけではなく、
「毎日の生活も、治療の一部」
という視点を持ってみる。
そのための選択肢のひとつとして、「高血圧をアプリで治療する」という方法を知っておいていただければと思います。
「アプリを処方して、治療に使う」。
初めて高血圧治療補助アプリの存在を知ったとき、とても驚きました。
その背景には、精神科や禁煙治療などにも使われてきた「認知行動療法」や「行動変容ステージモデル」などの考え方があります。
昔からある治療法を発展させ、さらにデジタルと融合させる。
元エンジニアの私としては、医療とデジタルの組み合わせに、とてもワクワクしました。
「アプリで治療する」という一見新しい方法の中に、実は昔から積み重ねられてきた治療の考え方がある。
そう知ると、デジタル技術が医療にできることは、まだまだ可能性があると感じました。
医療法人社団プラタナス 用賀アーバンクリニック
院長 田中勝巳(総合内科専門医、循環器専門医、介護支援専門員)
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